みこちゃん逝く

みこちゃん 昼過ぎに病院から電話が入り、今日みこちゃんが痙攣を起こして、今はおさまってはいるがかなり危ない状況だと。会社を早退し病院に行き、みこちゃんを見舞うけど、みこちゃん目を開いて瞳孔も開いたままでほとんど動かず小刻みに息をしているだけ。ちょっと大きめな音がするとピクっと反応する程度。先生に話を聞くと血液検査では年齢を考慮すればやはり特別悪いという数値はなく、レントゲン、エコーでも何か見つかったということもない。脂肪はもうほとんどなくなってきている。瞳孔が開いているというのは恐らく意識も朦朧とした状態。小刻みに息してるのは、人と同じで気持ち悪いから。気持ち悪いのは毒素がたまっているとのこと。毒素がたまり体外に出し切れないのは数値上はそんなに悪くはないけど、腎臓の機能が落ちているんだろうと。
今日の昼飯のとき、同僚のYさんとみこちゃんの話をした。Yさんも猫飼ってる。猫にとっても亡くなるなら自分の家で亡くなる方が絶対幸せだよと。

そうだよね、入院したまま亡くなったら、私は捨てられたんだと思ったまま亡くなってしまうかもしれない。ならば死期が早まることになるかもしれないけど、家に連れて帰ってあげたほうがいい。病院についたときはそう決心していた。けど、目の前で苦しんでいるみこちゃん見るとやっぱりなんとかならないかと考えてしまう。先生にいうと、あとはステロイドを打ってみるかと聞かれた。効果は元気が出るようなものとのこと。とりあえず打ってもらうことにした。効果は大体1時間くらいで出てくるとのこと、その間に考えをまとめよう。時間が経過しみこちゃんの様子は明らかに変わった。さっきまで開いていた瞳孔が普通に戻ったように見える。動きも増えている。多少の効果は出ているようだが、やはりこちらへの応答は無反応。結局すぐには決断できず、だらだらといろいろ考えて病院に来てから3時間近くになろうとしている。そんなとき先生が、お一人で昼間は仕事で見られないということなら夜は特に何かできるものでもないから帰宅して朝病院に預けるのはどうかと。なるほどいい考えだ。ということでやっとつれて帰る決心がついた。

家に着いたらとにかく、体温が下がらないようにしてあとは見守るだけ。すぐにタオルを2重に布団代わりにして、こたつを近くでつけて、部屋の温度も高めにセット。夕飯買いに行き、風呂入って最初はこたつのそばに寝かしてたけど、飯食ってる間に何かあったらと思って、最初は俺の後ろ仏壇の前に。そのうち、今までの小刻みだった呼吸が間隔が開いて大きな呼吸に。これって悪くなってるのか良くなってるのか。見るとなんか吐き出そうとしてるようにも見える。心配で結局は俺の隣に寝かした。ゲッとか声を出したりして、いいように考えたんだけど、結局はなんか口から流れ出たと思ったら呼吸が止まった。瞳孔は完全に開いた。

みこちゃん逝ってしまった。9時52分くらい。でも涙は不思議と出ない。出てきたのはありがとうの言葉。ほんとに感謝でいっぱい。前の家で弟が拾ってきて、今の家に引っ越した後脱走して3匹の子供を押入れで産んで、おかげでほんとにぎやかな家庭になった。みこちゃんがいなかったら全く別の生活になってただろう。涙が出なかったのはたぶん、家で逝くことができた安堵感だろう。本当によかった。病院においてこなくてよかった。家に帰ってからの約2時間半足らずでも自分が一番好きなところで逝くことができたんだ。俺も看取ることができた。

とりあえず体をきれいにしてあげて、飯まだほとんど食ってないので飯食おうとしたけど食べる気がしない。弟に電話したけど、通じず。でもその後電話があって亡くなったと伝えると来てくれるって。弟が来て話して。ちょっと気持ちは落ち着いた。弟が帰ってから少しは食べようと食べ始め、今日は通夜だからできるだけ起きていようと酒も飲んで一人で簡単な通夜だけど。

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